雪からのみぞれで、電車が大混雑していた今朝のこと。
とある駅で、おばちゃんが電車から降りようとしていたんです。
しかし、車内は、全員微動だにできないような乗車率300%状態。
おばちゃん、扉が閉まったら一大事だと、焦っていたんでしょうね。
「すみませーん! 通してください! 通してください!」と大声で叫びながら、猪のように扉に向かって突進していきます。
あと、不器用なタイプなんでしょうね。手でかき分けるとか、身体の角度を変えて進むとかしないで、ひたすら真っ直ぐ進もうとします。
ただでさえ戦後すぐかインドかっていうくらい殺人的に混んでいる電車の中は、そのおばちゃんのムーブで、完全に秩序とバランスを失いました。
全員が、なんとか立っていよう、位置を確保しようと、悪戦苦闘します。
しかしおばちゃんは、容赦なく、重戦車のように突進してきます。
そのとき、奇跡が起きました。
ほんの少し、距離にして1mくらいだと思うのですが、おばちゃんがクラウドサーフされたのです!
クラウドサーフってわかります? よくロックのライブとかでやる、これです↓
おばちゃんは大玉転がしのように、客から客へと渡されて、扉へと流れていきます。
僕の上にも来ました。一刻も早くおばちゃんにどいて欲しいので、思いっきり前の方に送り出しました。
おばちゃん、身体がほぼ水平になっています。サーフィン!
そして奇跡的に、扉の直前で、足の部分が降ろされ、気がついたらおばちゃんは電車の外に出ていました。
おばちゃんは、自分に何が起きたのかわからなかったのと、焦っていたのと、急いでいたので、そのまま猿のようにホームをかけていきました。
僕ら電車内に取り残されたモッシュ組は、少しだけ互いに「まさかこんなことが起きるなんて」という目配せをしあいました。
正直言うとあの瞬間、ちょっとした一体感があった。こういうのマジックリアリズムっていうんですかね(違う)?
↑名作になるはずだったに残念ながら終わってしまった漫画。復活して欲しい。
※タイトルが「モッシュ」→「ダイブ」→「モッシュからのクラウドサーフ」と微妙に変化しています。言葉の浸透度と正確さを天秤にかけ、シェア数に応じて少しずつ変えているせいです。ややこしくて申し訳ありません。