もう10〜15年以上昔の話だけど、ふと思い出したのでメモ。
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昔、場末のスナックにいったら、そこのママが三億円事件の犯人だったことがありまして。
この話、面白おかしく、くわしく書くと本一冊くらいになりそうなので、ザクザクと端的に話します。
どの方かすら忘れてしまったのですが、とある方に、巣鴨だっけなあ、どこかの場末のスナックに連れて行ってもらったんですよね。
僕ふくめ、4人くらいで。
客はゼロ。ママは山本リンダみたいな感じの50代くらいの女性。
ママは僕たちを大歓迎してくれて、お寿司を出前してくれました。
僕たちはビールやサワーを飲みながら、バカ話していたのですが……
3時間くらい経ったときかな? ふとママが、今までとは違う静かなトーンで、「実はね」と話しだしたのです。
「実はね、私、三億円事件の犯人なの」
え?
え? 三億円事件って、あの三億円事件ですか?
「そう。大学生のころ、私と、友だちの男2人の、3人で」
マジすか?
「まあ、信じられないわよね。でも本当」
そうなんですか……
「警察も、私が犯人かもと思っているらしいけど、証拠を見つけられないのよね。だから私宛の手紙は、全部封が切られてるのよ」
手紙を警察が見てるってことですか!? 親書の個人情報守秘は!?
「そんなの関係ないのよ。ポストはずっとチェックされているし、家もずっと見張られてる。もう慣れたけどね」
へー……えーっと……
「まあ信じてもらえないわよね。だから私、本を書いたの」
といって、彼女は一冊の本を見せてくれた。確かベージュの地に、縦書きでタイトルが書いてある、シンプルな表紙だったと記憶している。
残念ながらタイトルも何もかも忘れてしまったけど、それはちゃんとプロの手によって想定された本だった。
これ、出版されるんですか?
「ええ。本当はもう出てるはずだったんだけど、直前でナシになって、困っていたら、◯◯社(忘れた)が拾ってくれて。さ来週出版されるのよ」
日本中がひっくり返りません?
「三億円事件の真相がすべて書かれているからね。信じて欲しいけど、でも、誰も信じないと思うわ。あまりにも突拍子もない話だから」
ところで、3億円はどうしたのですか?
「寄付したわ」
寄付?
「ええ。仲間の一人が、(誰か忘れた)の御曹司で、そのおかげで警察からの強引な捜査もなかったし、彼のコネクションを使って、私たちだとバレないように、孤児院とか恵まれない人たちに配ったの」
自分たちの手元には?
「少しは残したわ。だからこのスナックがあるのよ」
当時の僕はまだ若く、自分の親くらいの年齢の山本リンダみたいな格好している人を前に、話をふくらませたり、足しげく通って仲良くなったりするスキルは、まだありませんでした。
僕たちはなんとなく非常に居心地が悪くなって(ママの話を頭から信じていないのだから当然ですが)、その後すぐ出てしまいました。
確かそんな感じだったと記憶しています。細部違うかもしれません。なにせものすごく前の話なので。
それと、この一夜全体が、夢だったんじゃないか、僕の妄想だったんじゃないかという疑問も持っています。しかし以前、吉祥寺にあった超巨大廃墟ゲームセンターも、「僕の記憶違いかな?」と疑っていたのですが実際にあったので、このスナックも、そこでの話も、完全に脳内の妄想というわけではないんじゃないかと思います。自信ありませんが。
あのスナック、どこにあったっけなあ?
また行ってみたいです。
追記:この本です!!!
見せて貰った三億円事件の本って、
これやないかなぁ。。
https://t.co/58htVhRjIw
三億円事件の首謀者だと言い張るスナックのママの話:小鳥ピヨピヨ https://t.co/HsTYPZRsdB @kotoripiyopiyo
— めきし粉 (@mexicona) 2016, 1月 20