今でも影響力あるし、1980年代なんか最強の影響力があったはずのテレビ。そのテレビの、しかも冠番組に出演しながら、全く自分を曲げず、いわゆる「テレビ的にウケること」は全部完璧に無視して、単に素直に自分を出す。
それがどれだけ難しいことか。
まるで呼吸するように、テレビ受けするようなことを言える、現代のひな壇のタレントたち。
テレビ受けしないことをやっているように見えつつ、やはり「どうテレビ映えするか」で評価されてしまうことを知っている、現代の芸人たち。
テレビ出演をそつなくこなす、現代のアーティストたち。
それらと比較して、このブルーハーツのザラついた感じはどうだろう!
テレビの圧力などまるで感じず、ケロっとして普段通りの自分をさらけ出す甲本ヒロト。髪の毛も適当な坊主で、服も芸能人的な要素がゼロ。
テレビ的なるもののプロである古舘伊知郎がズッコけるしかリアクションできないほど、その言動は当時のテレビの枠からはみ出していた。
確か幼いころ、リアルタイムでこの放送を見ていた気がする。
鮮烈だった。「この人たち、本当にちょっとおかしいのかな?」とマジで心配しながら見た記憶がある。
今見ると、違うことを思う。
天性の感性で、テレビで許されるギリギリのラインを超えたり戻ったりしながら、自分たちをお茶の間に印象づける。それは計算ではなく、ノッていて自分たちのやり方に自信を持った者のみが無意識にできる技。無想転生っていうか。
とにかく、素晴らしいと思いました。
昔から、ブルーハーツの頃からクロマニヨンズの今まで、彼らが大好きでございます。まるで違うけどブルーハーブも大好きです。