『ドクター・ストレンジ』の試写を観ました。
僕のような人間に、妙に馴染む魔法がたくさん出てくる映画でした。「僕のような」というのは、つまり、日本のゲームや漫画やアニメや小説でお馴染みな魔法に慣れている人間という意味で。
僕にとって、魔法は、RPGに出てくるようなもの、攻撃力とか防御力とか相性とかで数値化できるたぐいの、まあ、武器みたいなものなんですよね。
一方で、指輪物語でもハリー・ポッターでも、海外での魔法の扱われ方は、もうちょっと、「何か素敵なもの、予想を超えたものを実現する力」といった、論理を超えた、文字通りファンタスティックなものである場合が多いように思います。
でも、ドクター・ストレンジで出てくる魔法は、日本的。ドラクエ的です。
敵をぶっとばす。
攻撃から身を守る。
時間を巻き戻す。
ワープやテレパシー。
抽象的な呪術合戦ではなく、魔法を使ってバトルしまくり。
だから僕はドクター・ストレンジを観終わった瞬間、この映画に、
「ハリウッド版、魔導大戦」
というサブタイトルをつけていました。「魔導大戦」が具体的に何を指しているかはわかりませんが、いかにも日本のファンタジーものにつきそうな肩タイトルじゃありません?
だから、ドクター・ストレンジは、主人公含め全キャラを10代の美少女やイケメンやゆるキャラに置き換えると、まんま日本の作品かな? って錯覚する出来になっていると感じました。
逆に言うと、ここで主人公を「初老の男性」にするところは、いかにも西洋、いかにもハリウッドだな、と。
物語の流れ上、その年齢になっているのですが、逆に言うと、その年齢でも「作品の魅力は変わらない。セクシーで素敵な男性じゃない!」のがハリウッド。
日本だと「主人公が白髪交じりの初老は冒険しすぎでしょ。肌露出多めな美男美女がチラリズムを駆使したほうが、お客さん喜ぶでしょ」と考えるかな、と思います(眉をひそめる人も多いでしょうが、このキャラの立たせ方は、『君の名は。』で、昨年から今年にかけて、オタクを超えて全世界に受け入れられつつある気が……世界の人々は、いったい『君の名は。』のあれらのシーンをどう思っているのだろう……)。
ハリウッドの膨大な予算と高度なSFXで、格好いい魔法を思う存分堪能させていただきました。ご馳走さまでございました……
どうやら続編もありそうだし、マーベルの他作品とも繋がっていきそうです。楽しみです。