今、「これ」が多くのジャンルで起きているのだと思います。
ふと気がつくと、ダンサーやダンスに興味のある世界中の人が、YouTubeやFacebook、Instagramを活用して、ダンスを見て、学び、発表し、交流するようになっていました。あたかも世界規模の大きなひとつのコミュニティのようです。
どう変わったか?
ニコニコ動画の「踊ってみた」のような現象が、世界中のダンサーの間で起きています。つまり、
- 自分が踊った動画をアップする
- 何か光るものがあれば、世界中の人が「Wow!」となる
- 世界中の人やメディアがシェアしまくる
が最初の一回転。
ここで「動画をアップ」し続けると、螺旋のように運命?が回っていきます。
- 「このダンサーはすごい!」と評判になる
- コンテストで優勝したりMVに出演したたわけでもないのに、有名になる
- 世界中からワークショップや振り付け、ショータイムなどの依頼が来る
それでもまだ発信し続けると、もっと螺旋が回ります。
(もはやダンス動画だけではなくても構いません。トークとか)
- フォロワー数が膨大になる
- インフルエンサーとして認知される
- スポンサーがついたり、タイアップ案件などがくる
ここまで来ると、もはや勢いは留まるところを知らず、世界中でワークショップやレッスンを行い、世界中でショータイムをして、世界中のさまざまなものとコラボするように。
こんな夢物語みたいなことが、まあまあな頻度で起きているように思えます。
どこの誰でもできる
しかもこれは、世界のどこにいる誰でもできるのです。
たとえばブラジルの少女でも、川崎のママでも(RieHataさんWODでの受賞!)、スゥエーデンの大学生でも、インドのキッズでも、中国のお婆ちゃんでもいいわけです。
昔はクラブや街中の特定の場所に通い詰めたりスクールに通ったりしてダンスを学び、コンテストやバトルで勝ち進んだり人脈を築き上げていったりして、徐々にコミュニティに入り込んでいきましたが、そういった環境がない人でも、やる気があれば、ネットだけで学び、発表し、つながりを作っていける。
たとえば以下の少女は、YouTubeだけでこれだけの動きをマスターしたそうです(インタビュー)。そしてこの動画は再生回数が700万回を超えています。
スクールも増えた
ネットでダンス動画が流行るようになるにつれて、ダンススクール自体も増えていきました。
昔は日本だけで特徴的だった、ストリートダンスだけどダンススクールや部活だけで踊る「スクールダンサー」とでも言うべき現象が、今はヨーロッパ、アジア、アメリカ、各地で根付いています。
規模もデカいです。URBAN DANCE CAMPは「10日間で、50以上のレッスンを受けられて、10万円くらい」したりします。そういうのがペイできる業界になっているんですね。
ダンスをするに一番いい時代
ネットでも学び、ネットで仲間を見つけ、ネットで発表して(あるいはネットで発表の場を見つけて)、ネットで人生が広がっていく。
ダンスは言葉を必要としないアートフォームなので、よけいネットと相性が良いのかもしれません。
昔を知っている人からすると「ダンス=振り付けじゃねえぞ……」とか「クラブでバトルしないって……」とか「健全すぎ……不良性がないと……」とかモヤる部分もあるかもしれませんが(僕も以前こんな記事書いたことありますね……)、ダンスの間口がめっさ広がったという意味で、とてもいい時代だなと思います。
この現象はいつから?
当ブログの「ダンス」カテゴリをさかのぼる限りは、2008年くらいから大きなうねりが生まれたように見えます。「ネットに動画をアップ」がキャズムを超えて、世界中のダンサーの隅々にも広がった。
今はYouTubeよりもInstagramの方が多いかな? その場でスマホでパッと録画してサッと公開、みたいなことに対する技術的・心理的障害が、すごく低くなったように思います。
僕は2000年前後くらい、「MDC」という、けっこう大きな社会人向けダンスサークルをやっていたのですが、当時のネットや機器やソフトの環境で動画を公開するのは、すごくハードル高かったですね……隔世の感があります……
最後に
この現象は、ダンスだけじゃなくて、あらゆる業界で起きていることなのでしょうね。
ネットで学び、ネットで発表する。
ネットで準備運動して、世界に飛び込む。
動画で。テキストで。写真やイラストで。スライドで。
ただいま花盛りなeラーニングではありますが、その枠から漏れている多くのジャンルでも、この革命が起きているのでしょう。
「学びごと革命」。まだ伸びしろがありそうです。
以上、本当はもっと調べて具体事例をたくさん並べながら長文で書きたいネタなのですが、いつまで経っても書き終わらないので、短くサマりました。