Fate/Stay Night(以下SN)の最初のルートを読みきった。
SNは、今大人気のスマホゲーム「FGO」の元になったビジュアルノベル。そもそもFGOがどういう世界観や雰囲気を基礎としているのかを知るのに、最初の作品は必須だと考え、iPhoneでチマチマと読んでいたのだ(無料だった)。
SNは、3つのルートに分かれている。
最初のルートが、王道でオリジナル中のオリジナル。
2番目のルートが、巷では「一番アツい」「最高」と言われている。
最後のルートについての情報は敢えて見ないようにしているが、超長いらしい。
2番目のルート「Unlimited Blade Works(以下UBW)」は少し前にアニメになって、大人気だった。
最後のルート「Heaven's Feel(以下HF)」は先週から劇場アニメとして公開されている。
以前書いた「『Fate』で迷路に嵌まる。何をどの順番で観れば……?」という記事にいただいた、たくさんのお返事を元に(ありがとうございます!)、僕は以下のようにFateシリーズを進めることにした。
1. FateのSNはビジュアルノベルで読む
2. UBWとHFはアニメで観る(途中で気が向いたらビジュアルノベルも読んでもいい)
3. 他の(Zeroとかhollow ataraxiaとか)は後で観る
4. FGOは並行して進める
1日20〜30分くらい、亀のような遅さでノロノロと進め、そして先日、とうとう最低限、つまりSNの最初のルートをクリアした。
そして感じたことは、「FGOはSNや他Fate作品を知らなくても楽しめる、いや、むしろ知らないほうが純粋に楽しめるかもしれない」ということだった。
SNでは、サーヴァント7人とマスター7人の関係が入り乱れる。
いろんなキャラがいろんな背景や感情や思惑を持ち、情感たっぷりに、ぶつかったりくっついたりする。
だから、読み進めると、それぞれのマスターとサーヴァントの背景、人生、関係性に、かなり思い入れができてくる。
そしてこれが、FGOを進める上で、少し邪魔になってくる。
FGOでは、他作品で出てきた全サーヴァントや新サーヴァントが大集合して、新しいストーリーの中で、独自の会話やノリを見せてくる。だから、過去作品に思い入れがあると「あれ? 扱い違くね?」とか「あれとあれは一緒にいないはずじゃね?」とか、いろいろモヤるところが出てくるのだ。
SNの最初のルートしかクリアしておらず、FGOもキャメロットまでしかやってないのにこれだから、他の作品を知っていたら、この違和感はなお一層大きくなるだろう。
だから、FGOするときでも、前作品は知らなくていい。
ただ、基本的な設定とか概念は、FGOをやる上でも、知っておいた方がいいでしょう。今パッと思いつくのは、
● マスター:魔術師。サーヴァントと契約し、現実の世界につなぎとめる
● 英霊:過去の英雄のこと。実在の人物か物語上の人物かは問わない
● 霊器:英霊を入れる器のこと。セイバーとかランサーとか、複数の種類がある
● サーヴァント:霊器に入った英霊のこと
● 宝具:サーヴァントの必殺技のこと。英霊を英霊たらしめた「象徴」が宝具になることが多い
● 聖杯:望みを何でも叶えるといわれているモノ
● 聖杯戦争:7人のマスターがそれぞれサーヴァントを従えて、聖杯を求めて争う。50年に一度くらいの頻度で行われる
くらいかな? このくらい知っていれば、FGOをやる上では問題ないように思う。
(逆に完全に何も知らないと、最初は用語などにかなり戸惑ってしまいます。その際は「【FGO初心者】最初から知っておくとお得なことまとめ」をご覧くださいませ)。
でもまあ、まだSNの最初のルートしかやってないですからね。
もし他のルート、他の作品を観たら、また感想が変わるかもしれません。
あと、スパロボ大戦や、マジンガーZ対デビルマン、プリキュアオールスターズ、アヴェンジャーズのように、「そのカップリングが激アツ!」という面もあると思うので、他作品を知っていたら、それはそれで別の楽しみ方、より深い思い入れができるのだと思います。
SNの最初のルートそのものの感想は、ネット中に感想が溢れかえっているので、この記事の最後に「ここがスゴイ! ここがダメ!」形式で箇条書きしとくだけにします。
ひとつだけ……非常に不遜かつ失礼で恐縮ですが、非常に、僕が14歳のころに書いた小説『我が名は魔性』っぽい気がしました。ほとんど懐かしい匂いすらしました。
恐らく作者の奈須きのこさんが、同世代で、かつ同じものを観て読んで育ったからじゃないかと思います。
TYPE-MOONの人たちと、魔王伝とか、吸血鬼ハンターDとか、キマイラとか、太宰ゆきの話とかしたら、結構盛り上がるかもしれません。
【Fate/Stay Night 最初のルート】
● ここがスゴイ!
・ 中盤以降どんどん濃密になる緊張感
・ ビジュアルノベルという点を最大限に活かした、動く漫画的な演出
・ 設定の有能さ。この設定だから派生作品がいくらでも作れる
・ 背景や歴史の作り込みの細かさ。いろいろと想像が膨らむ
・ キャラクターの描き分け。誰が誰だっけ? と混乱しない
・ 物語としてのまとまりの良さ。読みやすい
● ここがダメ!
・ 主人公のリアクションやセリフが、いちいち童○くさい