1日おきに、朝、子どもを幼稚園に連れていく。
自転車や車は使わない。時間がかかるんだけど、手を繋いで、子どものペースで歩いていく。
大人の脚だと5分で着くところを、パン屋さんに手を降ったり、お花を拾ったり、壁をじっと眺めたりしながら、15分くらいかけて、幼稚園に到着する。
僕の半分くらいの大きさしかない、可愛い小人が、あっち行ったりこっち行ったりして、好き勝手に楽しく歩いている。
お遊戯のお話とか、お友だちのお話とか、のんびりと、たわいもない会話を交わす。
寒くなってきたので、子供の手を包むようにして、手をつなぐ。
昔読んだ、ただお散歩するだけの絵本のように。
少し前までは、2人を連れて行っていた。
今は、上は小学生で、ひとりで学校に行く。
下も、来年からは小学生だ。
だから、登園という名の朝のお散歩タイムも、もうすぐおしまい。
夢のように素敵な時間だった。
朝はつい慌ただしくしてしまうけど、ふと視座を上げて考えてみると、子どもとゆっくり散歩する時間の方が、朝を効率的かつ能率的に処理するよりも、何倍も貴重なんじゃないかと思う。
子どもが大きくなればなるほど、子どもとゆっくり散歩するという時間は少なくなる。少なくとも朝にこんな時間を持てることは減る。
でも、雨の日も晴れの日も、暑いときも寒いときも、一緒にてくてくと幼稚園までの道を歩いたこの思い出は、いつまでも、少なくとも僕の心には残るだろう。というか、しっかりと焼きつけておきたい。
とか書きながら、今カフェにいる僕の隣では、母親と20代の娘が「あんた働きなさいよ!」「そりゃ働くよ! 働くけど、なかなか美味しい話はないの!」と喧嘩をしている。
ウチの子どもたちとも、将来、大人同士みたいな会話をすることになるのかな……