夏くらいからハマっていたFGOですが、先日めでたく人理修復を達成いたしました。
人類の滅亡を防ぐことができて、ほんと良かったです。これもサポートしてくださったみなさまのおかげ。本当にありがとうございました。
のんびりと少しずつやっていたので、だいぶ時間がかかってしまいました。
でも、最高&最高でした。
以下、長い感想です。ネタバレはナシ。
ストーリーとセリフが秀逸でした。FGOは「第五章からどんどんすごくなっていって、第八章はほんと素晴らしい」と言われます。確かに、先がまったく読めないシナリオだし、決めゼリフの連続です。
終盤ではゲームを進める手が止まり、じっと画面を見つめてしまうことも、たびたびありました。
ただ、第五章以降の良さは、それまでの、序章〜第四章までのおかげでもあります。
前半だって面白いし、ここで伏線をたくさんはった成果が後半に出てるんじゃないかと。だから「前半は我慢して進めて」ではありません。前半も楽しめます。
また、期間限定で行われるイベントも、味わい深いものばかりでした。
期間限定イベは、テレビでいうとバラエティ番組のような、軽いノリのものが多いので、肩の力を抜いて楽しめます。
キレッキレのコントといってもいいセリフも多いです。
このイベントのおかげで、初心者でも手っ取り早くFGOの面白さを知ることができる。それが、あの長い長いメインストーリーを進めるモチベーションを高めたり、あるいはFateの別作品もちゃんと観直すといった事象が起きていたかと。
(その意味では、今後の「第一部をクリアしていないと参加できないイベントを作る」という方針は、新規ユーザー排除につながる良くない施策じゃないかと心配しています)。
僕の場合の具体例をあげます。
僕の場合は、FGOはじめてすぐに、夏のイベントがあったんですよね。
そこに、海賊として有名な「黒髭」が出てきたんです。で、黒髭のセリフがことごとく「ゲーム世界の中でそれ言うのアリ!? アリなの!?」という驚きの連続で、それですっかりFGOに興味を持ってしまいました。
(この画像だけだと伝わりにくいですが、黒髭のオタクっぷりがひどいのです)
(あと、小次郎のカミングアウトや、スカハサとアルトリアのやりとりに割って入れない魔猪も最高でした)。
その後の、マンガでわかる合衆国開拓史も、衝撃的でした。
もはや「面白い」さえ捨て、とにかくブッとぶぞ! みたいな気迫を感じました。
その後のレースは、セリフがキレッキレでしたね。大爆笑しながら進めることができました。
具体的にはノッブと謎セイバーX、メイドオルタ、そしてなんといってもアラフィフ! アラフィフ最高でした! これからアラフィフが流行ると確信したし、自分もアラフィフになるのが楽しみにすらなりました。
そしてハロウィン。もう無茶苦茶で、常軌を逸していて、とても楽しかったです。
設定からセリフまで、すべて気が狂っていたし、そこにむりやり付け加えられるつじつま合わせにもキュンとしました。
僕も、もしトラウマになっている過去の自分(僕の場合は14歳くらいですかね)が巨大メカになって目の前に現れてしまったら、心を虚無で満たし、静かにやりすごそうと思います。
(なんかイベントのことばかり話してしまいました。イベント続きでしたからね……もうちょっと頻度落としてくれてもいいんですよ……)
メインストーリーは、イベントの狭間を縫うようにして進めました。
メインは、ほんと読み応えあるんですよね。あちこちに脱線しながらも、骨太の人間劇、群像劇を満喫できました。予想外な展開の連続。シナリオパートとゲームパートが密に絡み合って、緊張感のボルテージが回を増すごとに上がっていく。
本当は時間をとって、じっくりとやりたかったです(実際には1日10分みたいな細切れでした)。
良かった……
何度も強調したいのは、セリフの良さです。
言葉が強く、練りに練られているので、次の2行が楽しみ、また次の2行が楽しみというクオリティ。全くダレるところナシ。物語におけるセリフの重要性みたいなものを、イヤというほど思い知らされました。
僕はなんだか今年は大変でだったのですが、FGOは勇気と気合を与えてくれました。後になって、僕はこの2017年後半のことを「あのときはFGOに助けられたなあ」と思い出すんだと思います。
そう、FGOは、勇気と信頼の物語でした。
勇気と信頼を常に試されるゲームでした。
ゲームシステムについても書き留めておかなくてはいけませんね。
ゲーム部分も、戦略性が高くて面白いです。とっつきにくい、理解しにくい、未だに分からない部分があり、そのデメリットが戦術と直結しています。だから「システムの理解が深くなればなるほど強く」なります。
(ただ、隠れた数値がありすぎて、事前にどのくらい勝てそうなのかの計算がやりづらいのは、改善して欲しいです。あまりにもわからないので、カードゲームというより運ゲーみたいなところすらあります。
あと、「このバトルにそのキャラいたらダメだろう」というのはブロックしてもいいと思います。同じキャラがダブルで入るのも、世界観を大事にするFGOとしては、FGOの世界観を損ないかねないので、禁止にしちゃっていいかと。)
戦略がバッチリハマったときはとても気持ちいいです。
雑に戦って勝ったときには「俺tsueeee!!!」感より、スキルや宝具の使用タイミングがピタッと合ったときの快感の方が大きい。
戦略バトルだから、星5やSSRなキャラ以外も、全員に活躍の場がある。
楽しいゲームです。
んー、でもはやり、「ストーリーとセリフ」が、このゲームを特別なものにしているのかなあ。
他のゲームと比較するのは可哀想なので具体名はあげませんが、他のゲームは、ストーリーはおまけなんですよね。セリフはさらにおまけ。ゲームであることが主。
でもFGOは違う。ストーリーとセリフが主役。ゲームはストーリーにより主体的に入り込むための道具。
たとえば、他のゲームは「強い敵」を出すために、シナリオをこさえる。
FGOは「強い敵」の強さを実感するために、実際に戦ってもらう。
この2つは、似ているようで全く違います。
「次のセリフが楽しみ」なんてゲーム、あまりないじゃないですか? FGOにはそれがありました。
それと、Twitterなどで展開される、FGOの二次創作たちも、楽しさにドライブをかけていました。
FGOやFateを知れば知るほどわかる愉快さや切なさ。二次創作たちがFGOを支える一柱になっているほどです。たとえば……良いのたくさんあるのですが、これとかはFGO知らなくても喉がゴクリと鳴るかも。
TYPE-MOONかディライトワークスは、二次創作を紹介するメディアを立ち上げるべき。もはやFGOはゲームの中だけで閉じているカルチャーではないのですから。
以上、長々と褒め殺してしまいましたが、これがFGO第一部をクリアした感想です。
今は1.5部みたいなのが行われているのですが、さて、とりあえず大きな波をクリアしてしまった今、どこまでモチベーションが維持できるかな……まずはアラフィフの本格的初登場となる「悪性隔絶魔境 新宿」を触ってみたいと思います。これって菊地秀行の「魔界都市 新宿」シリーズへのオマージュって考えていいんですよね?