免許証を更新するために、短い講習を受けていたときのこと。
講師の方は一所懸命話しているのだけど、申し訳ないが、とてつもなく眠くなってきました。
眠気の我慢なんて段階はとうに過ぎ、もはやまぶたの筋肉との戦い。
必死で目を開け、ぼんやりとしてくる頭を振ります。ダメだ、起きてなきゃ……と奮闘しているとき、ふと、講師の人が、こんな話をしたのです。
「みなさん、曲がるとき、ぜひ、路面を確認する癖をつけてください。なぜか? 曲がった先で、人が寝ていることがあるからです。
みなさん、まさか道路に人が寝てるなんて思わないでしょ?
寝てるんです!」
ええっ!? 道路に人が寝てるの!? と、思わず覚醒してしまいました。
講師によると、寝ている人を轢いてしまう事故は年間10件くらい。だいたいは即死亡。
寝る理由はいろいろあれど、酔っ払ってる場合が多いようです。
そんな罠ほんと止めて欲しいですよ……
あと、講習ビデオで車とぶつかりそうになる原付バイクの人が毎回同一人物なのも、ジワジワとツボでした。
その原付バイクは、車の陰やサイドミラーの死角、交差点など、いろいろなところから、突然飛び出してきます。
彼が登場するたびに「またお前か!」というツッコミで頭がいっぱいになり、ビデオに集中できません。
確かに車も悪いけど、お前ももうちょっと気をつけろよ……
講習の最後には、さだまさしの「償い」が、歌詞の表示つきで流れました。激エモでした。さだまさしすごい。
なんだかんだいって、免許更新時の講習はいつも楽しみにしています。本質的に観たくて観てるものではない、受けたくて受けているものではないからこそ、講師やビデオが随所で工夫している。そんな真面目な頑張りが好きです。