ラテを飲みたくて、エクセルシオールに入ったときのこと。
僕はタリーズに行くような気軽な気分で、こう頼みました。
「ホットのラテ、トールで」
しかし、店員さんが、ノーリアクションです。
僕の声が小さすぎて聞こえなかったかな?と、今度はハッキリと声を張りました。口にしました。
「ホットのラテ、トールでください!」
すると。
店員さんが、しばらくの間、僕を叱るような目で見据えた後、こう返してきたのです。
「……サイズはいくつになさいますか?」
僕は電撃に打たれたように気がつきました。ここはタリーズでもなければスターバックスでもない、エクセルシオールだ!と。
この国家では、真ん中のサイズは「トール」ではなく「ミディアム」または「M(エム)」だった、と。
僕は慌てて「エムで! エムでください!」と言い直しました。
店員さんは、笑顔こそありませんでしたが、特に遅延なく、すぐに
「ホットのラテ、Mサイズかしこまりましたー」
と返事してくださいました。
あーむっちゃ怖かった……店員さんのあの目つき、あの声色……
しかし、どうして彼女はあんな反応をしたのだろう? 疲れていたのかも知れない。しょっちゅうトールトール言われすぎて心が傷ついていたのかもしれない。もしかしたらタリーズやスタバの面接に落ちて、仕方なくエクセルシオールで働いているのかもしれない。
いずれにしろ、僕は誓いました。もう二度と間違えまいと。
そして、次にこの店に来ることがあったら、店員さんを笑顔にしてみせよう、むしろ爆笑させてみせよう、と。