僕は、料理は結構やるのですが、本気で肉を焼いたことはありません。
肉って、ちゃんと焼こうとすると、すごく難しそうじゃないですか?
肉焼き道みたいのがあって、道具、時間、温度、一連の流れなど、さまざまなトラップがありそうだし。
友だちに肉焼き名人がいるのですが、やっぱり、上手い人が焼いた肉は、異常に美味しいんですよね。口に入れた瞬間「うまっ!」と声が出るくらい。
なので、肉焼きからは逃げる人生を送っていたのですが、料理の経験も積んだ今、そろそろいいんじゃないかと思って、調べたり友だちに聞いたりしたんです。
結論としては、「低温調理」という必殺技を除けば、とりあえずこんな感じのレシピがベストかな、と。
【材料】
・牛肉(たぶんどの部位でもいい。サーロインとか)厚さ3cm
・塩
・デジタル温度計【作り方】
1. 肉を30分〜おいて、常温に戻す
2. 軽く、本当に軽く、塩を振る
3. フライパンを強火で熱する
4. 油を引き(牛脂だとベストだけどなんでもいい)、中火に
5. 肉を投入。30秒〜1分
6. 表面がいい感じに焦げたら、裏返す。30秒〜1分
7. 温度計で中心部の温度が48度くらいになっていたら、フライパンからとりだし、アルミホイルに包む
8. アルミホイルにデジタル温度計をぶっ挿し、中心部の温度を測る。53度〜63度くらいになったら、そこから10分〜30分置く【要点】
・大事なのは「肉汁を内部に閉じ込めること」。だから最初に表面を固める
・その後は余熱で火が通る。53度でアミノ酸分解が進みつつ柔らかさは保たれる
なるほど……これはどっかで何か間違えるだろう!
心配な気持ちを抱えたまま、スーパーで、オージービーフのお値段40%引きのやつを購入。
厚さが3cmじゃなくて1cmで、さっそく誤算ですが、人は自分の持ってる武器で戦わなくてはいけないのです。
デジタル温度計もニトリで購入済み。買ったのはこれ。
「差し込んでなかみの温度がわかる」とか、まさに僕が欲しい機能をピンポイントでアピールしていたので、迷わず決めました。
準備は整った。さあ、焼きはじめます。
肉を常温に戻し、塩を降って、フライパンに肉を放り込みました。
すると、いきなり、
ジュワワーッと肉汁が飛び出してきましてね!
なんで!? 聞いてないよ!
「肉汁を閉じ込める」ことこそが肉焼きの要点だというのに!
一番やってはいけないことをしでかしてしまいました。
「失敗」の二文字が頭をよぎります。