何度も進撃の巨人の最終巻周りを読み返したり、考察サイト読んだりを繰り返しているいちるですこんにちは。
読み返している理由は、まあ、テンションと情報量がすごくて面白いからなのですが、重要なのにモヤモヤが晴れない部分もあるからです。
ただ、とりあえずひと通り受け入れられるくらいには納得できたので、ここに書き記します。
●ミカサはユミルのどんな期待に応えたのか?
ユミルはフリッツ王を愛していたが故に、2千年もの間、フリッツ王の「起きて働け、我が奴隷ユミルよ」という命令に従い続けていました。
しかしユミルには、自由への渇望もあったようです。元々が自由を愛し、情の深い子だったのでしょう。豚を逃していた(135話)りもしたし。
ユミルは、「愛している」「断つ」という相反する心が共存する状況を見たいと願いました。
それを見れば、自分もフリッツ王の呪縛を断ちきる勇気を出せるから。
ユミルは、ミカサのエレンへの執着に、自分とフリッツ王の姿を重ねました。
そこで、進撃の巨人に、ミカサに究極の選択を迫るような状況を「未来」として見せました。
エレンは、半ば「何者にも縛られない」という特性を持つ進撃の巨人としての自由意志、半ば「仕方が無かった」という強制で、その未来を現実のものにするべく動くことになります。
そして最後、ミカサは、ユミルの見たかったものを見せました。
ユミルの心はそれを見て、解放されます。
最後の、フリッツ王が槍に貫かれ、ユミルが子どもたちを抱きかかえている絵は、フリッツ王からの解放と子孫たちへの愛情を象徴的に描いているのでしょう。
●光るムカデはどうなったのか? ラストシーンでまだ存命していることが示唆されたのか?
光るムカデは生きる(そして増える)ことを最重要項目とする生命の象徴です。
ユミルは光るムカデの力で死の存在しない世界へ逃れた後も、フリッツ王の「起きて働け」という命令に従い続けていましたが、解放されたので、もうその必要がなくなりました。
ユミルの生への執着がなくなったので、ユミルは消え、同時に光るムカデも消えた形です。
今回ユミルに憑いた光るムカデは、ユミルに憑いた時点で、ユミルへの寄生虫のような存在になっていたのでしょう。
宿主が死ねば寄生虫も死ぬということなのだと思います。
そして議論を呼ぶラストシーン。
僕は、あの巨大樹の中には、光るムカデはいないと思います。
その前のページで、エレンの墓標が木の中に埋もれていく描写がありました。
また、ラストに出てくる少年(少女?)には、ミカサの面影がありました。
また、少年は厳しい状況にいる雰囲気ではありませんでした。ハイキングくらいな服装ではないでしょうか。
おそらく、あの木の中には、エレンの墓標があります。
少年は、一族に代々伝えられる「(世界を救った)ご先祖様が愛した人のお墓」を探しに来たのではないでしょうか? ちょっとした宝探しの感覚で。
●ミカサが最後の最後までミカサで本当に良かったこと
ミカサの、説明がむっちゃ下手くそなところが大好きです。
どんな究極的な状況でも、最後の最後まで下手くそなままだったのが、最高でした。
ミカサ説明が下手くそすぎ、だけでスピンオフ短編を書いて欲しいくらいです。