『竜とそばかすの姫』を観た。
実は、細田監督作品が少し苦手だ。観るときは身構えてしまう。
映像が素晴らしいのはわかる。けど、いつも、ストーリーや設定、ちょっとしたシチュエーションや会話のどこかに受け入れがたい部分があり、嫌な気持ちになってしまう。両手を挙げて称賛できない。
僕は割とそういったことを受け入れるタイプなのだけど、細田監督は、ピンポイントで僕のダメなところをついてくる。
今回は、しかし、最高だった。
絵も音はもちろん良かった。そして、物語もとても良かった。自分の中では細田作品最高傑作になった。
もちろん、というか、案の定、今回も受け入れがたい部分があった(◯◯の扱いが可哀想すぎるとか、なんで◯◯に行くとき◯◯がついていかないの? とか)。
けど、今回、気づいたことがある。
もしかして、僕がいつも細田作品に感じる受け入れがたい部分、それこそが、細田作品のコアなのではないか?
観客の何割かは確実に感じるその受け入れがたい不快感をエネルギーにして、物語がドライブしていく。
細田監督の物語は、そういうシステムになっているのではないか?
竜とそばかすの姫も同じ。醜い欠点のある人間、社会、シチュエーション。敢えてそれらを描くことで、物語に引っかかりを作ろうとしているのではないかと思えた。
そう考えれば、細田作品を身構えて観なくても良くなるかも。
映像にはいつも惹かれていたので、まだ観てない作品も漏れなく観てみようと思った。今なら、主人公や環境の、共感できない部分や反発したくなる部分を、楽しめると思う。
いやー面白かった。