最近は、子育てでも「自己肯定感をを高めることが重要」だとよく言われていますが、どうやら必要ない子どももいるようです。
特に何も教えていないのですが……
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ある日のこと。
子どもが、たいそう悪いことをしたので、ママと一緒に、ひどく叱ったのです。
いつもの軽く注意するというレベルではありません。久しぶりに超本気モードです。しかも長時間。
子どももひとしきり怒り、泣きじゃくって、走って自室に籠もってしまいました。
言い過ぎたかな……と、少し反省します。
今回は、確かにキツいお灸をすえないといけないレベルの悪さでした。でも可愛い我が子が、怒って泣いてしまうのを見るのは、やはり気持ちの良いものではありません。
もっと別の言い方もあったんじゃないか……という自責の念も湧いてきます。
なので、しばらく経ったあと、少しは仲直りしようと、僕は、子ども部屋に入っていきました。
そこで、見たのです。
子どもが、机に座って、(いつもは放ったらかしの)宿題をやっているのを!
え! なぜ宿題を!
いや良いことなんだけども!?
泣きじゃくったり怒ったり、せめて気晴らしに本を読んだり寝転がったりしているんじゃなくて!?
驚く僕を尻目に、子どもはせっせと宿題をこなし、そして終わらせてしまいました。
それから。
机の隣にあるベッドに入り、布団を被って、こう言ったのです。
「あー、宿題をやったなんて、なんて偉いんでしょう!」
そして、ニッコリと笑って、そのまま寝てしまいました。
何そのメンタルの強さ!?
怒られた人の行為としては、見たことがない、いや想像すらしなかった、この一連のわが子の行動。
あっけにとられすぎていましたが、後に改めて考えてみるに、高い自己肯定感を保っている人としては、とても適切な行動ではないかと思うようになりました。
今回の行動は、3つの特徴に分けられます。
- 強いストレスについて、いつまでも根に持ったり、自分の中で勝手に拡大再生産したりしない
- 自分を自分で褒める方法を心得ていて、実行できる
- しっかりと睡眠を取る
特に3つ目は、重要な割に、ついおざなりにされてしまうヤツです。ストレスを発散しようと、夜更けまで遊んだり、暴飲暴食したりして、少しずつ基礎体力が落ちていく例は、大人でも枚挙に暇がありません。睡眠は、メンタルにとっての特効薬なのです。
それを、10歳かそこらで、もう身につけているとは!
いやー、我が子ながら、ひれ伏してしまいました。
これだけ自分の機嫌をコントロールできるのは頼もしい。どんなところにいっても、自分なりにやっていってくれるでしょう。