この本には、素敵なことがたくさん書かれています。名言も多いし、筆者の経歴のユニークさが主張の説得力を高めるのに貢献している。
ただ。
ひとつ問題がありまして。
どうやらこの本は、基本的には「人生前半に頑張って成功した人(ストライバー)」に向けて書かれているっぽいんですよね。
でも、そんな人、少数じゃないですか?
それにこの本の内容自体は、それ以外の人、たとえば成功していない人とか、そんなに働いたわけじゃない人とか、頑張ったけど報われなかった人にとっても有益なことがたくさん書いてあるんです。
だから。
僕は、この本を「(ストライバーじゃなくて)万人向けの本」と、脱構築しながら読みました。
それでも、とても良かったです。励まされたし、いくつかの道しるべも示してくれました。
この本では、「人生の後半戦では、能力はむっちゃ落ちるし、人生は落ち込んでいく」という前提からはじまります。誰でも絶対そう。
この状況に抵抗しても、成果は出ないし、心身にも、周囲にも、そして人生にも悪影響です。
でも、LIFE SHIFT曰く「人生100年時代」だから、生きてはいかないといけない。
落ち続ける中、どう生きていくのが良いんだろう?
著者は、自身が直面しているこの課題に、正面から取り組んでいます。