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全ページ名言、みたいな凄い本でした。
本のテーマはズバリ「人の幸せにとって重要な要素は何か?」。
この問いを、80年間に渡って1800人の人にインタビューし続けている「ハーバード成人発達研究」の、現時点での集大成が本書です。著者も同研究の責任者と副責任者です。
結論は、最初の方にバシッと書かれています。「健康で幸せな生活を送るには、よい人間関係が必要だ」と。
聞いたことある人も多いかもしれませんね。有名な研究だし、あちこちで引用されているので。
ただ、この本は、結論が書かれたあと、まだ342ページも続きます。
以下のような詳細にも徹底して踏み込んでいるからです。
● どういう人間関係が重要なの?
● なぜ人間関係が重要なの?
● どうしたら良い人間関係が作れるの?
● 生まれガチャによる違いはあるの?
● もう手遅れというポイントはあるの?
● 職場の場合は?
● 家族の場合は?
● 友人の場合は?
● パートナーの場合は?
● 若い場合は?
● 中年の場合は?
● 老年の場合は?
現時点で把握できているデータや資料の全てを使って、考えられうるあらゆる疑問にヒントを提示しよう、という研究者根性を堪能できます。
とはいえ、全容は前半に大体書いてあります。後半は詳細なので、前半分だけ読む、でも良いかと。
人生は複雑です。何が起きるかわかりません。
だから、この研究では、自分の意思で関われる因子のみに注目して、「幸せ」の謎を解き明かそうとしています。
僕の感想ですが、「何に注意を向けて生きていくのか?」ということが大事なのだなと思いました。
人は、自分が本当に大切にしたいものを、えてして空気扱いしてしまいがちです。そして、どうでもいいものに自分の大切なリソースである「注意」を向けてしまう。
目の前の人と会話せずスマホをいじってしまう。
今をおろそかにして、過去を後悔し、未来を不安がる。
大切なものに注意を向けることで、人生の充実度が上がっていくように思うのですよね。
「幸せ」は人生の要素のひとつに過ぎませんが、もしそれを大切にしたいと考えるのであれば、参考書的な意味を込めて、この本を読んでおいてもいいかもしれません。ほんと全ページ名言の凄本ですから。
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