先日、久しぶりにタリーズで仕事をしていたときのこと。
近くで、上品げなお婆ちゃんが2人、おしゃべりをしていました。
なにかの手続きについて情報交換をしています。
とりたてて特別な話じゃなかったのですが。
ふ、と。
お婆ちゃんが、思い出したように、別の話をしはじめたのです。
こんなお話でした。
A:「そういえば、この前、書類を書いていてね」
B:「ええ」
A:「年齢を書く欄に、自分の年齢を書いたのよ。『70』って」
B:「ええ」
A:「そうしたら、びっくりしちゃって」
B:「どうして?」
A:「『わたし、もう70歳なんだー』って!」
わかる。
恐れながら、とてもよくわかる驚きだな、と思いました。
僕も、自分の年齢に、ときどきびっくりしちゃいます。
思い出してみると、何歳のときも、いつもびっくりしていたような気がします。
まさに光陰矢の如し。
ただ。
僕の場合は、もちろん後悔はたくさんあるのですが、一方で、「その時その時で、全力でできうる限りのことをしてきたよな」という納得感もあります。
僕はもったいないのが苦手なのです。子育てにしろ、仕事にしろ、ダンスなどにしろ、「これができるのは今だけかもしれない」と、もったいないお化けモードに入って、都度都度、できる範囲で一生懸命やってきたような気がします。
もちろん、「あのときあれをやっておけば良かったー!」と頭をかきむしることも多いんですよ? もっと英語勉強しておけばよかったとか。留学を経験しておいても良かったんじゃないかとか。アップルがソニーに買収されるされないのときにアップル株を買っておくべきだったとか。
ただ、それら全ては、「今振り返ってみると」という後悔であって、当時は、その時々で、できうる限りのことをしてたように感じています。
それでも、幸運にも70歳まで生きていることができたとき、僕も自分が70歳であることに、びっくりするでしょう。
そして、世の中の何歳の人であっても、どこかそういう可愛げのある自己認識を持っているんだろうなと捉えて、人に優しく生きていきたいなと思います。