小鳥ピヨピヨ

書きとめておきたい印象的な出来事を

帯状疱疹顛末記

帯状疱疹になって、先日治癒(寛解)したので、その記録をメモしときます。
ご興味あるかたはどうぞ。

 

6/26(木)

右の背中の筋肉に「寝違えにもう少しでなりそう」くらいの微妙な違和感を感じる(僕は背中をよく寝違える)。治療院に行ってほぐしてもらう。

なんとなく直感のようなものが働き、この日から禁酒する。

 

6/30(月)

案の定、右の背中に、軽く寝違えたみたいな痛みが起きる。
ただ、今回は今までと違って、そこからグルリと肋骨を回って、みぞおち近くくらいまで、凝ったような違和感がある。

背中の寝違えをカバーするために他の筋肉が無理をしてるのかな、と考え、整形外科に行く。

整形外科の医師は、「帯状疱疹かなー?」と最初につぶやいた。後にこれが素晴らしい勘の鋭さだったことがわかるが、ここまでだった。このときはまだ肌には何も症状が出ていなかったし、その後いくつか検査をして異常がなかったので、「まあ寝違えみたいなもんでしょう」と診断され、湿布を渡されて終わった。

 

6/30(月)〜7/2(水)

違和感の部分が赤くなる。湿布でかぶれたのかな? あるいはアトピーが悪化したのかな(この時期はいつもアトピーが悪化する)と考え、湿布を貼り続ける。

 

7/3(木)

会議をしている最中、突然脳裏に「これは帯状疱疹ではないか?」という直感がひらめく。

会議後、マッハで退社して皮膚科へ。木曜なのでいつも行く皮膚科は閉まっていた。だから木曜日も開いている皮膚科をネットで調べ、そこに駆け込む。
この時点ではまだ水疱などはできていない。ただ赤くなっているだけ。

皮膚科の先生は、経験豊富そうな60代の女性の医師だった。一目見るなり「あーこりゃ帯状疱疹だね」と診断する。よくよく見てみると、確かにアトピーの部分とは感触が違う。アトピーの部分は赤くなっているだけだが、帯状疱疹の部分は、そこにブツブツと硬いものが、数個できはじめている。

バルトレックスという、値段も大きさもゴツい薬を5日分もらう。その他生活上の注意として、以下の指導を受ける。

  • 心身疲れてる時になりやすい病気だから、ゆっくり休むように。休むときには本やスマホもダメ。ただただ横になるように。
  • 仕事は自分の体調と相談してやるように。帯状疱疹の正体は水疱瘡菌であり、これが暴れている1〜2週間くらいは疲れやすくダルいだろうから、ムリしないように。
  • 大人には感染しない。子どもには水疱瘡として感染する。だから、子どもが水疱瘡になってもいいのであれば一緒にお風呂に入っても構わない。嫌なら一緒に入っちゃダメ。
  • マッサージや整体や鍼灸や運動はダメ。
  • まあしばらくは入浴せずにシャワー浴にしといたら? ただし痛い場合は、患部を温めると症状が緩和されることがあるので、温めるのはオッケー。

確かに今年に入ってから今まで、平日も週末も、ブログ書く暇もないくらいとても忙しかった。しかし、だからこそできるだけ意識的に休息を取るようにしていた、のだが、足りなかったようだ。

確かに「休む」と言いながら、横になって鋼の錬金術師全巻読破とかしてた。反省。

心配になったのでいろいろ質問したが、丁寧にひとつひとつ回答してくれた。ここはいい病院だ。

帯状疱疹は治るのに1ヶ月くらいかかるらしい。風邪とはわけがちがう。覚悟する。

 

7/4(金)

仕事は自宅勤務で、無理の無い範囲で普通にやる。
同時に帯状疱疹に羅患したことをチームメンバーに伝える。みんな僕がいなくても全然普通に物事進められるので、素晴らしいと思う。

ちょうど漢方の医師と話す機会があったので、帯状疱疹について相談してみたら、「元気が出やすくなる」という、黒いボール状の、やや怪しげな漢方を処方してもらった。治療を側面からサポートするみたいな感じか。

医師の友人やSNS上の経験者からいろいろアドバイスや励ましの言葉をもらう。ありがたい。インターネット万歳。

 

7/5(土)

無理しない範囲で普通に生活する。
しかし、確かに疲れやすい。まあ精神的なガッカリ感も影響しているかもしれない。

帯状疱疹が、かなりそれっぽくなってきた。赤くて、水疱みたいなのがミッチリと浮かんできている。

幸いなことに痛さはそれほどない。火傷の跡のようなヒリヒリ感はあるが、我慢できないほどではない。

それよりも、右手を動かした時の帯状疱疹一帯の「違和感」の方が気になる。
違和感としかいいようのない感覚なのだが、敢えて例えると、小さなBB弾が肌と筋肉の間にビッシリと詰まっていて、身体を動かすたびにそれが神経をゴリゴリするというか、そういう感じ。嫌なくすぐったさ。
肋骨部分なんてしょっちゅう動くので、この違和感が常に僕を悩ませる。

話を聞くと、祖母も祖父も帯状疱疹の経験があるそうだ。祖母は頭に近いところで発症したので10日間入院、祖父は海外で単身赴任かつ仕事が最もストレスフルな状態の時に発症したので、非常に緊張して過ごしたとのこと。
それに比べれば僕はまだラッキーだ。

 

7/6(日)

祖母に家に来てもらい、家事育児を手伝ってもらう。
僕は寝てる(本なども読まない)。いくらでも寝れる。

祖母と一緒に夜に実家に帰る。この日から2日間、実家で何もせず、ただ栄養だけとって寝ることにした。

帯状疱疹の状態は変わらず。ヒリヒリする+すごい違和感。
範囲も結構広く、みぞおちからグルッと右半分の背中まで回っている。

 

7/7(月)〜7/8(火)

ただひたすら寝る。
昼もずっと寝てるのに、夜もグッスリ眠れる。1日20時間くらい寝ても平気。
やはり疲れてたのかなあ。それとも病気がそういう身体モードを作っているのか。

食事は祖父が作る野菜をメインに。身体に悪いわけがない感じ。

バルトレックスが火曜の昼で切れてしまったが、火曜は最初に行った皮膚科が休みなので、こっそり別の皮膚科に行って1日分だけバルトレックスを処方してもらう。

ところで、帯状疱疹の通(というのが世の中には結構いる)によると、

  • 帯状疱疹は早期に治療を開始すればするほどいい。
  • しかし発症したのは土曜の午後とかだったりすると、バルトレックスを飲むのが遅れてしまうので絶望感すごい。
  • だからお医者さんに無理を言って、多めに処方してもらって家にストックしておいたほうがいい。

らしい。このときに3日分くらいもらっとけばよかった……

 

7/9(水)

再診。
「バルトレックスの薬効としての治療はこれで充分で、後は時間が経過して直るのを待つだけ」という診断をされる。
とてもじゃないが「追加でバルトレックスをくれ」とは言いづらい雰囲気なので諦める。
「なんか飲んでないと不安なんですけど」と言ったら、ビタミンB12をくれた。神経を休ませるらしい。
医師からは、「あとは直るまで、ただただできるだけ休んでてください」と言われる。

帯状疱疹の状態は、少し水疱がシワシワになってきたかなー、くらいな感じ。ヒリヒリも減った。違和感は相変わらず。
少なくとも悪化はしていない。バルトレックス飲み続けたいなあと後ろ髪を引かれながら、家に帰って仕事しながら休む。

 

7/10(木)

今日から出社。
パソコン仕事というのは目と指さえ動いていれば一応できるので、それほど帯状疱疹が気にならなくて楽だ。

定期的に通っている治療院に「帯状疱疹中だからしばらく行かない」旨を連絡したら、整体師が逆ギレ。大喧嘩の末、この治療院とはこれきりの仲になった。
ストレスは帯状疱疹に悪いのにー。早めに気持ちを切り替える。

 

7/12(土)

今日はだいぶ前から子どもと約束していた、東京ディズニーランドに行く日。
この日をリスケしないために、今までできるだけ休んで体力を温存してきた。なのでガッツリ行ってきた。楽しかった。

 

7/13(日)

帯状疱疹、ヒリヒリ感はほぼ消えた。
違和感の方は相変わらずだが、最盛期よりは楽になった。治ってきているという感触を得る。

でも今日はマンションの自治会の会議(僕は今年マンションの役員会の役員)やらなにやらでいろいろバタバタしていた。それと昨日の疲労が抜けず、結局あまり家庭では活躍できなかった。奥さんすみません……

 

7/16(水)

再診。
ヒリヒリも違和感もほとんどなくなった。医師から「寛解(治った)」という診断をいただく。鍼灸以外は全てオッケーになった。

ただ、まだ完全に違和感がとれたわけではないので、あと数週間ほどは安静にするように、とのこと。

やったー! この日は久しぶりに子どもとお風呂に入った。でもここではしゃいでまたブリ返したりしたら嫌なので、この夏はおとなし目に過ごします……

 

あとがき

自分では適切な休息をとっていたつもりだったのですが、以下の2つの観点から、僕のいう「休み」は休みになってなかったのかもしれないな、と思いました。

  • 年齢が上がってきたので、今までと同じ時間では同じくらい回復できなくなってきている。
  • 休むといいつつ何かしていた。「リラックス」と「リフレッシュ」を混同していた。本を読んだりジョギングしたり楽器を弾いたりクラブ行ったり飲みに行ったり出す宛のない企画書書いたりブログ書いたりSNSを見てたり。これは休息ではなかった。

これから、生活全般を見なおして、「休息」というのを上手に取り入れるようにしないといけません。いろんな人と話した結果、まずは以下のようなことができればな、と思います。

  • いろいろやりたいことがあるのはわかる。わかるが、夜11時になったら「今日はもう店じまい」と思い、やりたいことでもダラダラやるのをやめて、寝る準備に入る。
  • 「寝る」以外の「休息」の時間を設ける。何もせずにボーッとする時間を作る。

 

僕はまだ、HPとMPが満タンになったという感触を得ていません。とりあえず帯状疱疹が直る程度までは回復した、というだけだと思います。
これから子どもたちが夏休みに入ります。パパママにとっては忙しい時期です。気温も湿度も上がり、生活がデフォルトで疲れやすくなります。
だから、これからも意識的に生活を改善し、できるだけすみやかにHPとMPを満タンにしたいと考える次第です。とりあえず早く寝るようにしよう。

 

最後に。
帯状疱疹というのは、早期に治療することが最重要なのですが、たいていは治療が遅れるそうです。「虫さされかな?」とか「寝違えかな?」とか「なんの頭痛だろう?」と思いながら過ごしてしまう。医師も表面に水疱が出てくるまでは診断しにくい。
そんな中、僕は奇跡的に、恐らく「ギリギリ『早期』に入る段階」で治療を開始できたのだと思います。
あまりいつも身体のことをクヨクヨ考えて神経質になるのも問題ですが、常に自分の内面に向き合い、何か直感があればすぐに診断してもらう、そんな能力がもっと備わるといいなと思いました。いや、我々人類には既に最初からその能力が備わっているのかもしれない。科学や医術の進化によってその力を箪笥の奥に仕舞いこんでしまっただけで。


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