なんでこんな文章を書いているのかというと、他ならない僕自身が、『三体』を読んでいる途中で疑念を感じ、「三体 つまらない」で検索したからです。
他にも同じような方がいらっしゃるんじゃないかと思い、応援のつもりで書いています。
年末の楽しみに取っておいた『三体』、先ほど読み終わりました!
もう、無茶苦茶に面白かった! SFに「サイエンス・フィクション」と「少し・不思議」の両方の意味を持たせたとして、この両方を完全に満たす、最高のSFでした。
ただ、ですね。
僕の場合は、「面白い」と感じるようになるまで、半分以上読み進めなくてはいけませんでした。
それまでの間は、重要そうじゃないことが大袈裟に語られたり、面白味がわからない描写が続いたり、人物描写が直線的で薄っぺらだったり、中華思想を感じたりと(読み終わった今は誤解だとわかりましたが)、途中でいきなり物語の最大の謎が推測できちゃったりして、何が面白いのかわかりませんでした。
科学の単語を使った言葉遊びをしているだけの小説。
少なくとも僕の趣味じゃない。
そんな風に思っていたのですが……
1/2と2/3の間くらいからですね、急に面白さが加速してきまして。
今までバラバラに語られていたエピソードや科学知識や歴史が、実は一本の太い線でまとまっていることがわかりました。すごい速度で全部の伏線が回収されたようでした。
さらに、それはより奥深い世界への扉で、想像もしてなかった展開へとつながっていきました。
その展開といったら、まさに指数関数的で、20ページに1回驚いていたのが、10ページに1回に、5ページに1回に、1ページに1回となり、最後の方は1行に1回驚くという、驚天動地のスピードとスケール。
ここまで濃密だと、個々に出てくる科学的知識にはついていけないので、もう、雰囲気でいくしかありません。
映画を観るときのような受動的な気持ちで、ただただ物語に身を委ねるしかありませんでした。
いやー、すごかった……
もちろんdisろうとすればいろいろ細かい突っ込みはできるのでしょうが、この物語の器のデカさの前では、些細な問題でしょう。
早速第二部を読みたくもありますが、いったん間に数冊挟んで、またまとまった時間が取れたら読もうと思います。
これだけ面白いと、もはや物語が句読点を打ってくれない限り、自分では止められず、寝不足になりそうだから。
と、いうわけで。
『三体』読むの挫折した人、応援します。
自信を持って「今までの苦労が何十倍になって報われるから、最後まで読んだ方がいいですよ」とオススメできるので、ぜひ再度トライしてみてください。